公務員 退職金の計算方法|支給率・調整率・退職所得控除を完全解説
国家公務員退職手当法の計算式から退職理由別支給率、調整率の仕組み、税金計算まで一気に解説します。
公務員の退職手当 基本計算式
国家公務員の退職手当は国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)に基づいて計算されます。
② 退職手当 = 基本額 + 調整額
各要素の説明
退職時の俸給月額とは
退職する日に受けていた俸給の月額です。扶養手当・通勤手当・残業代などの各種手当は含まれません。職種(一般職・特定職)・級・号俸によって決まります。
退職理由別支給率とは
退職の理由によって支給率(俸給月額の何ヶ月分か)が決まります。定年退職が最も高く、自己都合退職が最も低くなります。
| 退職理由 | 概要 | 支給率の水準 |
|---|---|---|
| 定年退職 | 定年に達して退職 | 最高(勤続35年以上:約49.59ヶ月分) |
| 勧奨退職 | 早期退職募集に応募 | 定年の約92%程度 |
| 自己都合退職 | 本人の申出による退職 | 定年の約70〜75%程度 |
| 分限免職 | 適格性欠如等で免職 | 自己都合の80%程度 |
調整率とは
調整率は公務員の退職手当水準を民間の退職金相場に近づけるための係数です。人事院が定期的に見直します。2013年以降の退職手当の適正化により引き下げが行われており、現在は約87%(0.87)前後が適用されています(詳細は人事院規則をご確認ください)。
調整額とは
調整額は在職期間中の勤務実績や役職(係員・係長・課長等)に応じて加算される金額です。勤続年数が長く・役職が高いほど加算額が多くなります。
STEP別 計算手順
退職時の俸給月額(本俸のみ・手当除く)を確認します。給与明細の「俸給」欄を参照してください。
人事院が公表する支給率表(退職理由×勤続年数のマトリクス)から該当する支給率を確認します。
俸給月額 × 支給率 × 調整率(0.87)を計算します。
勤続年数20年以下:40万円×年数、20年超:800万円+70万円×(年数-20)。
(退職手当 - 控除額) × 1/2 = 課税退職所得。これに所得税速算表と住民税10%を乗じて税額を算出。
退職所得控除額の目安
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 退職金2,000万円の課税所得 |
|---|---|---|
| 15年 | 600万円 | 700万円 |
| 20年 | 800万円 | 600万円 |
| 25年 | 1,150万円 | 425万円 |
| 35年 | 1,850万円 | 75万円(ほぼ非課税) |
| 40年 | 2,200万円 | 0円(全額非課税) |
地方公務員と国家公務員の違い
地方公務員の退職手当は各自治体の条例で定められますが、多くは国の基準に準拠しています。主な違いは以下のとおりです。
- 支給率:国の基準に準拠する自治体が多いが、若干異なる自治体もある
- 調整額:自治体によって職種・役職別の加算額が異なる
- 早期退職制度:自治体ごとに独自の勧奨退職・早期退職募集を設けている場合がある
よくある質問
公務員の退職金計算方法は?
「俸給月額 × 退職理由別支給率 × 調整率 + 調整額」が基本式です。定年退職の場合、勤続35年以上で最大約49.59ヶ月分(上限)が支給されます。
公務員退職金の「調整率」とは何ですか?
民間企業の退職金相場に合わせるための係数です。現在は約87%(0.87)程度が適用されています。人事院が定期的に見直します。
退職所得控除の計算方法は?
勤続20年以下は「40万円×年数」(最低80万円)、20年超は「800万円+70万円×(年数-20)」です。控除後の金額の1/2が課税退職所得となります。
地方公務員と国家公務員の退職金の違いは?
地方公務員は各自治体の条例によります。多くは国の基準に準拠していますが、支給率・調整額が若干異なる自治体もあります。
関連ツール
本ページは一般的な情報提供を目的としています。実際の退職手当は国家公務員退職手当法・各自治体条例に基づいて計算されます。正確な金額は所属機関の人事・給与担当部署にご確認ください。


