2026年(令和8年)税制・社会保険
制度改正まとめ
令和8年分から基礎控除は最大104万円・給与所得控除の最低保障は74万円となり、給与収入だけなら178万円まで所得税がかかりません。子育て支援金0.23%・防衛特別法人税4%・退職所得10年ルール・在職老齢年金65万円も含め、2026年に施行・変更された主要制度を属性別に整理し、各計算ツールへ直結。
最終更新:
- 2026年施行の主要制度改正 6テーマの「何が・いつから・誰に・いくら影響するか」
- 給与所得者 / 個人事業主 / 法人 / 年金受給者 の属性別 影響早見表
- 各改正テーマに対応した計算ツールへの直結リンク
- 所得税の壁の3段階(令和7年分160万円 → 令和8・9年分178万円 → 令和10年分以後168万円)
2026年 主要制度改正 タイムライン
施行日・対象者・改正前後を一覧で確認できます。
| 施行日 | 改正テーマ | 対象者 | 主な変更内容 |
|---|---|---|---|
| 令和7年分〜 | 所得税 控除引き上げ 第1段階 | 全納税者・給与所得者 | 基礎控除 最大 48万円 → 95万円(合計所得132万円以下)/給与所得控除の最低保障 55万円 → 65万円(給与収入190万円以下)= 所得税の壁 160万円 |
| 令和8年分〜 | 所得税 控除引き上げ 第2段階(令和8年度税制改正) | 全納税者・給与所得者 | 基礎控除 最大 104万円(合計所得489万円以下)/給与所得控除の最低保障 74万円(給与収入220万円以下)= 所得税の壁 178万円 |
| 令和10年分〜 | 所得税 控除引き上げ 第3段階(令和10年分以後の現行基準) | 全納税者・給与所得者 | 基礎控除 最大 99万円(合計所得132万円以下)/給与所得控除の最低保障 69万円= 所得税の壁 168万円 |
| 2026年4月〜 | 子ども・子育て支援金 徴収開始 | 被用者保険加入者 | 支援金率 0.23%(被用者保険は労使折半・標準報酬月額30万円で本人月約345円) |
| 2026年4月〜 | 在職老齢年金 基準額引き上げ | 働く年金受給者 | 支給停止基準額 月51万円 → 月65万円 |
| 2026年4月〜 | 防衛特別法人税 開始 | 法人(基準法人税額が基礎控除額以下なら納付0円) | 基準法人税額から基礎控除額(通常年500万円)を引いた額の 4% を課税。税額0でも申告は必要 |
| 2026年1月〜 | 退職所得控除 通算ルール強化 | iDeCo・退職金の両受取予定者 | DC一時金を先・一般の退職手当等を後に受け取る場合の調整対象:前年以前4年内 → 前年以前9年内(先行のDC一時金は2026年1月1日以後の受給分)。逆の順番は19年内で従来どおり |
| 2026年10月〜 | 106万円の壁 月収賃金要件撤廃 | 週20時間以上のパート・アルバイト | 月収8.8万円の加入要件が撤廃。週20時間・2ヶ月超要件は継続 |
出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」・財務省「令和8年度税制改正の大綱」・厚生労働省・こども家庭庁(2026-08-31確認)
2026年 あなたの手取り・負担はどう変わる?属性別早見表
以下の4属性に分けて、どの改正が影響するか・プラスかマイナスかを整理しました。
給与所得者(会社員・公務員・パート)
| 改正テーマ | 影響 | 概要 |
|---|---|---|
| 基礎控除104万円・給与所得控除74万円(令和8年分〜) | プラス | 年収178万円以下なら所得税ゼロ(令和7年分は160万円)。年収200〜400万円台の方も控除拡大で減税。令和8年11月までの源泉徴収は据え置きで、引き上げ分は令和8年12月の年末調整で精算 |
| 子ども・子育て支援金 0.23% | マイナス | 2026年5月支給給与から天引き開始(翌月徴収の場合)。標準報酬月額30万円で月約345円の負担増 |
| 106万円の壁 撤廃(2026年10月〜) | 要確認 | 週20時間以上勤務で社会保険加入が必要になる場合あり。年収・勤務時間次第で手取り変動 |
個人事業主・フリーランス
| 改正テーマ | 影響 | 概要 |
|---|---|---|
| 基礎控除104万円(令和8年分〜) | プラス | 令和8年分から合計所得489万円以下なら基礎控除が最大104万円(令和7年分は合計所得132万円以下で95万円)。適用所得帯が大きく広がり、確定申告で節税効果が実感できる |
| 退職所得控除 通算ルール強化(2026年1月〜) | マイナス | 2026年以後にiDeCo一時金を受け取った後、前年以前9年内に当たる年に退職金を受け取ると、期間の重複に応じて退職所得控除が調整される場合あり |
法人・中小企業経営者
| 改正テーマ | 影響 | 概要 |
|---|---|---|
| 防衛特別法人税 4%(2026年4月〜) | 基礎控除あり | 一定の税額控除を適用する前の基準法人税額が基礎控除額(通常年500万円)を超える部分に4%。基準法人税額が基礎控除額以下なら納付は0円ですが、申告は必要です |
| 従業員への子ども・子育て支援金 徴収義務 | マイナス | 被用者保険では事業主も支援金率0.23%の半分(0.115%)を負担します(標準報酬月額30万円なら月約345円) |
年金受給者・定年前後(50〜65歳)
| 改正テーマ | 影響 | 概要 |
|---|---|---|
| 在職老齢年金 基準額65万円(2026年4月〜) | プラス | 働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、基本月額(加給年金額を除く)と総報酬月額相当額(標準報酬月額+直近1年の標準賞与額÷12)の合計が65万円以下なら、在職による支給停止はない。従来の51万円から拡大。老齢基礎年金は停止対象外 |
| 退職所得控除 通算ルール強化(2026年1月〜) | マイナス | 2026年以後に受けたiDeCo一時金の後、前年以前9年内に当たる年に退職金を受け取ると、期間の重複に応じて控除が調整される場合あり |
① 所得税の基礎控除・給与所得控除 引き上げ(令和7年分→令和8年分→令和10年分の3段階)
- いつから
- 令和7年分(2025年分)で第1段階、令和8年分(2026年分)で第2段階が適用。令和10年分(2028年分)以後は現行法の基準額(基礎控除等は消費者物価指数を踏まえ2年ごとに見直されます)
- 誰に影響
- 所得税を納める全ての個人。特にパート・副業者・低〜中所得層に恩恵
- 主な数値(令和8・9年分)
-
- 基礎控除: 最大 104万円(合計所得489万円以下)— 本則62万円+租税特別措置法による加算42万円
- 給与所得控除の最低保障額: 74万円(給与収入220万円以下)— 本則69万円+令和8・9年分限りの特例5万円
- 所得税の非課税ライン(給与収入のみ): 178万円(令和7年分は160万円)
- 月次への反映
- 令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務に変更はありません。引き上げ分は令和8年12月の年末調整(または確定申告)でまとめて精算されます。月次手取りに反映されるのは令和9年(2027年)1月支給の給与から
- 住民税は別制度
- 個人住民税は所得税とは別の制度です。住民税の基礎控除43万円は据置です。給与所得控除の最低保障は2027・2028年度分が74万円、2029年度分以降は69万円です。配偶者特別控除・特定親族特別控除の下限は、住民税でも58万円超から62万円超に変わります
所得税の「年収の壁」3段階タイムライン(給与収入のみの場合)
| 年分 | 基礎控除(最大) | 給与所得控除(最低保障) | 所得税の壁 |
|---|---|---|---|
| 令和2〜6年分(2020〜2024年分) | 最高48万円 | 最低55万円 | 103万円 |
| 令和7年分(2025年分) | 95万円 | 65万円 | 160万円 |
| 令和8・9年分(2026・2027年分) | 104万円 | 74万円 | 178万円(いま適用される年分) |
| 令和10年分以後(2028年分〜) | 99万円 | 69万円 | 168万円 |
令和8・9年分の178万円は、基礎控除への加算42万円と給与所得控除の特例5万円という期限付きの上乗せによるものです。この上乗せが終わる令和10年分以後は、現行法の基準額で168万円になります(基礎控除等は消費者物価指数を踏まえ2年ごとに見直されます)。
以下の基礎控除は、居住者の通常の年末調整・確定申告を前提にしています。非居住者の基礎控除は最高62万円です。2026年12月1日前の死亡・出国による準確定申告などには別の適用関係があります(国税庁 No.1199)。
基礎控除 段階逓減テーブル(令和8・9年分)
| 合計所得金額 | 基礎控除額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 489万円以下 | 104万円(最大) | 本則62万円+加算42万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 67万円 | 本則62万円+加算5万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 62万円 | 本則62万円 |
| 2,350万円超〜2,400万円以下 | 48万円 | 逓減(改正なし) |
| 2,400万円超〜2,450万円以下 | 32万円 | 逓減(改正なし) |
| 2,450万円超〜2,500万円以下 | 16万円 | 逓減(改正なし) |
| 2,500万円超 | 0円 | 適用なし |
参考: 基礎控除 段階逓減テーブル(令和7年分・過去の年分)
| 合計所得金額 | 基礎控除額(令和7年分) |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円(最大) |
| 132万円超〜336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 58万円 |
| 2,350万円超〜2,500万円以下 | 48万円→32万円→16万円と段階的に減少 |
| 2,500万円超 | 0円 |
令和7年分の申告・還付請求を行う場合は上の表が適用されます(令和7年分の出典: 国税庁 No.1199・No.1410)。
扶養・配偶者まわりの所得要件も引き上げ(令和8年分〜)
| 区分 | 令和7年分 | 令和8年分〜(所得要件)/令和8・9年分(給与収入換算額) |
|---|---|---|
| 扶養親族等の所得要件 | 合計所得58万円以下(給与収入123万円以下) | 合計所得62万円以下(令和8・9年分の給与収入換算 136万円以下) |
| 特定親族特別控除の対象 | 合計所得58万円超123万円以下(給与収入123万円超188万円以下) | 合計所得62万円超123万円以下(令和8・9年分の給与収入換算 136万円超197万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象 | 合計所得58万円超133万円以下(給与収入123万円超201万5,999円以下) | 合計所得62万円超133万円以下(令和8・9年分の給与収入換算 136万円超207万円以下) |
| 勤労学生控除の所得要件 | 合計所得85万円以下(給与収入150万円以下) | 合計所得89万円以下(令和8・9年分の給与収入換算 163万円以下) |
| 家内労働者等の必要経費の最低保障 | 65万円 | 69万円 |
配偶者特別控除額・特定親族特別控除額の控除額と各段の上限は合計所得ベースのため改正されていません。変わったのは、始まりが合計所得58万円超から62万円超になったことと、給与収入への換算額(給与所得控除の引き上げに伴うスライド)です。給与収入への換算額は、給与所得控除の最低保障74万円を使う令和8・9年分の額で、令和10年分以後には延ばせません。また、社会保険は税制とは別制度です(106万円の賃金要件は年金制度改正法で2026年10月1日に撤廃)。社会保険の被扶養者の収入基準は、原則が年間収入130万円未満、19歳以上23歳未満の被扶養者(配偶者を除く)は150万円未満、60歳以上または一定の障害者は180万円未満で、本人の被保険者加入要件は別に判定します。
出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」・財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2026-08-31確認)
2024年の議論で掲げられた「年収178万円まで所得税がかからない」という水準は、令和8年度税制改正(2026年3月成立)で法制化され、令和8年分(2026年分)の所得税から実際に適用されています。基礎控除104万円(本則62万円+租税特別措置法の加算42万円)と給与所得控除の最低保障74万円(本則69万円+令和8・9年分限りの特例5万円)の組み合わせによるものです。
なお、期限付きの上乗せが終わる令和10年分(2028年分)以後は、現行法の基準額で基礎控除99万円+給与所得控除69万円=168万円となります(基礎控除等は消費者物価指数を踏まえ2年ごとに見直されます)。令和8年分の数値は、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」や、タックスアンサー No.1199・No.1410 の令和8年分以後の表でご確認ください。
② 子ども・子育て支援金 徴収開始(2026年4月〜)
- いつから
- 2026年4月分保険料から徴収開始。給与天引きは翌月徴収の会社なら2026年5月支給分から
- 誰に影響
- 公的医療保険の加入者全員です。以下の料率と労使折半の説明は、健康保険(協会けんぽ・健保組合)や共済組合などの被用者保険の場合です。国民健康保険・後期高齢者医療では算定方法が異なります
- 2026年度の支援金率
- 0.23%(被用者保険は労使折半。本人0.115%+事業主0.115%)。国民健康保険・後期高齢者医療は市区町村の条例などで決まります
標準報酬月額別 月次負担額(従業員の負担額・2026年度)
| 標準報酬月額 | 報酬年額の目安(賞与なし) | 月額負担(従業員) |
|---|---|---|
| 20万円 | 約240万円 | 約230円 |
| 30万円 | 約360万円 | 約345円 |
| 41万円 | 約492万円 | 約471円 |
| 50万円 | 約600万円 | 約575円 |
| 139万円(上限) | — | 約1,598円 |
標準報酬月額は等級表の区分で決まるため、40万円という区分はありません(38万円の次は41万円)。賞与にも同じ率がかかり、賞与分は別に計算します。表の金額は標準報酬月額×0.115%の目安で、給与から控除する際の端数処理により1円単位でずれることがあります(41万円は410,000円×0.23%÷2=471.5円)。
出典: こども家庭庁 子ども・子育て支援金・協会けんぽ 東京 令和8年度保険料額表(2026-10-11確認)
③ 防衛特別法人税(2026年4月1日以後開始事業年度〜)
- いつから
- 2026年4月1日以後に開始する事業年度から(3月決算なら2027年3月期から)
- 誰に影響
- 法人税を納める法人。基準法人税額が基礎控除額以下なら納付税額は0円
- 税率・計算式
- (基準法人税額 − 基礎控除額)× 4%。基準法人税額は、一定の税額控除を適用する前の法人税額です。基礎控除額は通常の事業年度で年500万円、短期事業年度等では調整があります
- 小規模な法人の扱い
- 基準法人税額が基礎控除額以下なら、納付税額は0円です。ただし税額が0でも申告は必要です(国税庁・法人税改正資料)
令和8年度税制改正大綱では、令和9年(2027年1月)以後の所得に対して所得税額の1%相当の「防衛特別所得税」の導入も決定されています。同時に復興特別所得税が2.1%から1.1%に引き下げられるため、2027年時点の実質的な新増税額は+1%-1%=ゼロ(ただし復興税の課税期間は10年延長)。個人の月次手取りへの影響は2027年1月以降の源泉徴収に反映されます。
④ 退職所得控除 通算ルール見直し(5年ルール→10年ルール・2026年1月1日〜)
- いつから
- 令和7年度税制改正。確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の老齢給付金を一時金で2026年1月1日以後に受け取る場合から適用
- 誰に影響
- iDeCo一時金と退職金を両方受け取る予定の方(特に60〜65歳)
- 改正前
- DC一時金を先に受け取り、一般の退職手当等を後に受け取る場合に、退職手当等を受け取る年の前年以前4年内のDC一時金との勤続・加入期間の重複を調整(「5年ルール」と呼ばれた)
- 改正後
- 同じ順番(DC一時金が先・一般の退職手当等が後)の調整対象が前年以前9年内に拡大(「10年ルール」)。対象になる先行のDC一時金は2026年1月1日以後に受け取ったものです。判定は受け取った暦年と期間の重複で決まり、年齢差では決まりません
- 逆の順番
- 一般の退職手当等を先に受け取り、DC一時金を後に受け取る場合は、前年以前19年内の調整が引き続き適用されます
DC一時金(2026年1月1日以後)→ 退職金の受取年別 早見表
| DC一時金を受けた年 | 退職金を受けた年 | 暦年の差 | 調整の対象か |
|---|---|---|---|
| 2030年 | 2035年 | 5年 | 9年内なので対象(旧4年内では対象外) |
| 2030年 | 2039年 | 9年 | 9年内なので対象 |
| 2030年 | 2040年 | 10年 | 9年内の対象外 |
| 2030年 | 2030年(同年) | 同年 | 別の調整があります(下の注記) |
表は、DC一時金を先に受け取り、後に一般の退職手当等を受け取る場合の暦年の数え方の例です。実際に控除額が減るかどうかは、勤続期間とDC加入期間が重複しているかで決まります。同じ年の受け取りや、先に受け取った額が退職所得控除額に満たない場合には、別の調整があります。一般の退職手当等を先に受け取り、DC一時金を後に受け取る逆の順番では、前年以前19年内の調整が従来どおり適用されます。一般の退職手当等どうしは前年以前4年内です。個別の判定は税務署または勤務先にご確認ください。
出典: 国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収・No.1420 退職金と退職所得控除(2026-10-10確認)
⑤ 在職老齢年金 基準額65万円引き上げ(2026年4月〜)
- いつから
- 2026年4月(令和8年度)から
- 誰に影響
- 老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入して働く方(在職中の支給停止の仕組み)
- 改正前(令和7年度)
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が51万円を超えると年金の一部が支給停止
- 改正後(令和8年度)
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えると支給停止(14万円の基準引き上げ)。基本月額=加給年金額を除く老齢厚生年金(年額÷12)、総報酬月額相当額=標準報酬月額+直近1年の標準賞与額÷12。老齢基礎年金は停止の対象外で、70歳以上で働く場合にも適用されます
- 超過分の扱い
- 支給停止額(月)=(基本月額+総報酬月額相当額−65万円)÷2。ただし停止額は老齢厚生年金額が上限です。手取りの変化は税や社会保険料も絡むため別に計算します
出典: 厚生労働省 在職老齢年金制度の見直しについて(2026-05-27確認)
⑥ 106万円の壁 月収賃金要件撤廃(2026年10月〜)
- いつから
- 2026年10月1日から(施行済み)
- 何が変わったか
- 社会保険加入の要件だった月収88,000円(年収106万円相当)の賃金要件が撤廃
- 残る要件
- 週の所定労働時間20時間以上・雇用見込み2ヶ月超・学生除外(継続)
- 影響
-
- 勤務先の厚生年金の被保険者が51人以上の会社では、週20時間以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない、の3つを満たすと、年収(月収)に関係なく本人が社会保険に加入します。ただし、最低賃金の減額特例の許可を受けた方で所定内賃金が月8.8万円未満の場合は、原則として加入対象外です(本人の申出による加入は可能。日本年金機構)
- 企業規模の要件は法律で日程が決まっています。2027年9月までは51人以上、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上で、2035年10月に人数の要件はなくなります(人数は厚生年金の被保険者の数)。
- 加入前の保険・扶養の状態などによって、本人負担と手取りの変わり方は異なります。将来の厚生年金の受給額は増えます
- 根拠
- 令和7年法律第74号(賃金要件の撤廃は2026年10月1日施行。企業規模の引下げは同法で日程が決まっています)
よくある質問(FAQ)
- 2026年(令和8年分)の所得税の非課税ラインは何万円ですか?
- 令和8年分(2026年分)は178万円です。給与収入のみの場合、給与所得控除の最低保障74万円(給与収入220万円以下)+基礎控除104万円(合計所得489万円以下)の合計になります。年分によって3段階で変わり、令和7年分(2025年分)は65万円+95万円で160万円、令和10年分(2028年分)以後は69万円+99万円で168万円です。この引き上げは令和8年度税制改正として2026年3月に成立しています(出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」)。
- 月次の手取りはいつから変わりますか?
- 令和8年分の控除引き上げは令和8年分の所得税に適用されますが、令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務に変更はありません。引き上げ分は令和8年12月の年末調整(または確定申告)でまとめて精算されます。月次の手取りが増える実感は令和9年(2027年)1月支給の給与から。なお個人住民税は所得税とは別制度で、住民税の基礎控除43万円は据置です。給与所得控除の最低保障は2027・2028年度分が74万円、2029年度分以降は69万円です。配偶者特別控除・特定親族特別控除の下限は、住民税でも58万円超から62万円超に変わります。
- 扶養に入れる年収のラインも変わりますか?
- 変わります。扶養親族等の所得要件は令和8年分から合計所得62万円以下になりました。給与収入だけの場合の換算額は、令和8・9年分で136万円以下です(令和7年分は合計所得58万円以下・給与収入123万円以下)。特定親族特別控除の対象は給与収入136万円超197万円以下、配偶者特別控除の対象は給与収入136万円超207万円以下にスライドします(いずれも令和8・9年分の換算額)。ただし控除額と各段の上限は合計所得ベースなので改正されていません(始まりが合計所得58万円超から62万円超に動きました)。社会保険は税制とは別制度です。106万円の賃金要件は年金制度改正法で2026年10月1日に撤廃されました。被扶養者の収入基準は、原則が年間収入130万円未満、19歳以上23歳未満の被扶養者(配偶者を除く)は150万円未満、60歳以上または一定の障害者は180万円未満です。本人の被保険者加入要件は別に判定します。
- 子ども・子育て支援金はいくら引かれますか?
- 2026年度の支援金率は0.23%(被用者保険では労使折半)です。従業員負担は標準報酬月額×0.115%。月収30万円(標準報酬30万円)の場合は月約345円です。国民健康保険・後期高齢者医療の支援金は市区町村の条例などで決まり、本人負担は上の式とは異なります(出典: こども家庭庁)。
- 防衛特別法人税は中小企業にも影響しますか?
- 課税されるのは、一定の税額控除を適用する前の基準法人税額から基礎控除額(通常の事業年度は年500万円)を引いた部分の4%です。基準法人税額が基礎控除額以下なら納付税額は0円ですが、申告は必要です。短期事業年度等では基礎控除額の調整があります。詳細は防衛特別法人税 計算ツールで確認できます。
- 退職所得控除の「10年ルール」はどう影響しますか?
- 令和7年度税制改正で、DCの老齢一時金を2026年1月1日以後に受け取る場合から適用されます。DC一時金を先に受け取り、その後に一般の退職手当等を受け取る場合、前年以前9年内のDC一時金と期間が重複していると、退職所得控除が調整されます。例えば2030年にDC一時金、2035年に退職金なら9年内で対象、2040年なら9年内の対象外です(旧ルールの4年内なら2035年も対象外でした)。判定は受け取った暦年で行い、年齢差では決まりません。順番が逆(退職金が先・DC一時金が後)の場合は前年以前19年内の調整が従来どおり適用されます。詳細はiDeCo+退職金 同時受取比較ツールで試算できます。
- 在職老齢年金の基準額引き上げで何が変わりますか?
- 2026年4月から支給停止基準が月51万円から月65万円に引き上げられました。判定に使うのは、加給年金額を除く老齢厚生年金の基本月額と、総報酬月額相当額(標準報酬月額+直近1年の標準賞与額÷12)の合計です。例えば総報酬月額相当額が40万円で基本月額が10万円なら合計50万円で、旧基準でも51万円以下のため全額支給でした。総報酬月額相当額50万円・基本月額15万円(合計65万円)なら新基準でちょうど支給停止にならず、旧基準では14万円超過分の半額が停止になっていました。老齢基礎年金は停止の対象外です。出典: 厚生労働省。
防衛特別法人税とは何ですか?
防衛力強化の財源確保のため2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用される法人税の付加税です。一定の税額控除を適用する前の基準法人税額から基礎控除額(通常年500万円。短期事業年度等では調整があります)を差し引いた課税標準法人税額に、4%が課税されます。基準法人税額が基礎控除額以下なら納付税額は0円になりますが、申告は必要です。出典:国税庁「法人税関係の改正概要」
退職所得控除の「5年ルール→10年ルール」とは何ですか?
令和7年度税制改正で、確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の老齢給付金の一時金を先に受け取り、一般の退職手当等を後に受け取る場合の調整対象が、前年以前4年内(旧・5年ルール)から前年以前9年内(10年ルール)に広がりました。対象になる先行のDC一時金は2026年1月1日以後に受け取ったものです。一般の退職手当等を先に受け取り、DC一時金を後に受け取る場合は、前年以前19年内の調整が引き続き適用されます。一般の退職手当等どうしは4年内で変わりません。判定は受け取った年と勤続・加入期間の重複で決まり、年齢差では決まりません。個別の判定は税務署または勤務先にご確認ください。
在職老齢年金の2026年4月改正の内容は?
働きながら老齢厚生年金を受け取る場合の支給停止基準額が、令和7年度(2025年度)の月51万円から令和8年度(2026年度)は月65万円に引き上げられました。加給年金額を除く老齢厚生年金の基本月額と、標準報酬月額に直近1年間の標準賞与額の12分の1を加えた総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら、在職による支給停止はありません。65万円を超えた場合、超過分の半額が支給停止になります(停止額は老齢厚生年金額が上限)。老齢基礎年金は停止の対象外で、70歳以上で働く場合にも適用されます。出典:厚生労働省
本ページは国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定・2026年3月成立)、厚生労働省、こども家庭庁の公的一次ソースに基づき作成しています(2026-08-31確認)。令和7年分の数値は国税庁 No.1199・No.1410 に基づきます。監修者は設置していません(架空の監修者表記は行いません)。個別の税務判断・社会保険手続きについては税理士・社会保険労務士または最寄りの税務署・年金事務所にご相談ください。